「Mr.胃ぶくろ」の悩み、特に「ピロリ君」


pyrori
「Mr.胃ぶくろ」課長の悩みはたくさんあります。まず口から入ってくる食物です。酒やビールのようなアルコール類、極端に甘い物、するめなどのように堅くて不消化なもの、そしてたばこを吸うと入ってくるニコチンやタール、これらは全て何らかの形で胃粘膜を傷つけます(攻撃因子という)。これらの攻撃から胃粘膜を守る胃粘液(防御因子という)の分泌は、様々なストレスによって障害されます。そして、現在の「Mr.胃ぶくろ」課長の最大の悩みは、勝手に会社に居候していることが最近わかった「ピロリ君」の存在です。「ピロリ君」は、本名をヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)と言い、胃粘膜の奥深くに住んでいます。彼はなにも仕事をしないばかりか、炎症の引き金となるなど様々な作用により、胃粘膜を傷害し、様々な攻撃因子と共同して胃炎や胃潰瘍を引き起こすと言われています。また最近では、胃癌の発癌にも何らかの関連を持っていると言われるようになってきています。